
おせち料理の数の子の意味や由来は?
選び方やおすすめレシピを紹介
この記事では、おせち料理に数の子が入っている意味や由来を解説します。
数の子は、お正月に食べるおせちの中に入れる品として人気が高い食材です。数の子をおせち料理に入れる意味を知っておくと、より楽しんで食べられるでしょう。
この記事では、おせち料理に数の子を入れる意味や美味しい数の子を選ぶポイントを解説します。塩抜きの方法やおすすめのリメイクレシピも合わせてお伝えするので、お正月に数の子を食べようと考えている人はぜひこの記事を参考にしてください。
【この記事でわかること】 |
そもそも数の子はどんな食材?

数の子はニシンという魚の卵です。ニシンのお腹の中に、鳥の羽のように対になった形で卵が詰まっています。
形がキレイに整っているものは見栄えが良く贈答品として使われますが、形が不完全なものは松前漬けやわさび漬けなどに加工されるのが一般的です。ここでは、数の子について以下2点から解説します。
● 数の子の主な種類
● 数の子の主な産地
それぞれ見ていきましょう。
数の子の主な種類
数の子はさまざまな方法で味付けされており、方法によって以下の3種類に分けられます。
数の子の種類 | 特徴 |
塩数の子 |
● おせち料理の定番で最も主流とされている ● 塩漬けされているので長期保存がしやすい |
味付け数の子 |
● 醤油や出汁で味付けされている ● 塩抜きの手間がいらず、すぐに食べられる |
干し数の子 |
● ニシンから魚卵の塊を取り出して天日干しにしたもの ● 冷蔵技術の開発により近年ではほとんど見られない |
かつては冷蔵庫がなく、数の子を長期間保存するために天日干しにしたものが主流でした。干し数の子は水に漬けて戻す必要があり、下準備に時間がかかるというデメリットがありました。
また、数の子は冷凍すると食感が変わってしまうため、冷凍保存には適していません。
そのため、近年では太平洋や大西洋など遠方から輸送する際、長期保存しやすい塩数の子が主流となっています。ただし、そのまま食べると塩分が濃いため、調理の前に塩抜きが必要です。下ごしらえをせずに数の子を食べたい人には、味付け数の子がおすすめです。
数の子の主な産地
数の子の主な産地は、北海道やカナダ、アメリカやロシア、オランダなどです。
太平洋のニシンと大西洋のニシンでは産卵形態が異なるため、数の子は産地によって食感や味わいに差があります。
たとえば、太平洋のニシンは浅場の昆布に卵を産み付けるため、粘着性が出るように硬い卵を生みますが、大西洋のニシンは岩の隙間を産卵場所としているため粘着性が必要ありません。数の子独特のポリポリとした食感を楽しみたいのであれば、太平洋のニシンのほうが向いているでしょう。
ロシアやアラスカなどの北の海で獲れた数の子は粒が大きいものの、大きすぎると脂が増えて食感が失われる点が特徴です。
塩数の子として高品質なのは北海道産ですが、流通量は多くありません。また、カナダ産も食感や粒の大きさが丁度良いものの、東海岸側で獲れたものは大西洋のニシンであるため品質がやや劣ります。
比較的リーズナブルな値段で流通量が多いのは、ロシア産の数の子です。
また、数の子の旬の時期はニシンの産卵期である3〜4月であり、この時期に獲れた新鮮な数の子は通年出回っているものと比べて特に美味しいとされています。
おせち料理に数の子を入れる意味・由来

おせち料理に数の子を入れる理由には、子孫繁栄の願いが込められています。数の子の親であるニシンは”二親”と漢字を当てられる上、多くの卵がぎゅっと詰まっている様子から子沢山のイメージをもたらします。
また、数の子はおせち料理で”祝い肴”の1つです。ここでは、数の子における祝い肴について見ていきましょう。
数の子における祝い肴とは?
祝い肴とは、無病息災を願うおせち料理で重箱の一の重に詰められます。関東と関西で祝い肴の内容が異なるのが特徴です。
地域 | 祝い肴 |
関東 | 黒豆・数の子・田作り |
関西 | 黒豆(もしくは田作り)・数の子・たたきごぼう |
関東で主流の黒豆や田作りは関西ではどちらか1種類のみとなっており、代わりにたたきごぼうが入っています。また、数の子は関東・関西のどちらでも縁起の良いとされており、おせち料理に欠かせない食材です。
おせち料理で美味しい数の子を選ぶポイント

ここでは、美味しい数の子を選ぶポイントを解説します。
● 黄金色で見た目に透明感があるものを選ぶ
● 身がふっくらとしているものを選ぶ
● 表面に薄皮が付いているものを選ぶ
上記3つのポイントをおせち料理作りの際の参考にしてください。
黄金色で見た目に透明感があるものを選ぶ
新鮮な数の子は、黄金色で見た目に透明感があります。食感も良いので、美味しく味わえるでしょう。
逆に、鮮度の落ちた数の子は黒ずんで色が悪くなっています。中には、鮮度が落ちても黒ずまないように過酸化水素で漂泊されたものがあるため、注意しましょう。
過酸化水素水で漂泊した数の子は、品質が落ちてもキレイな色を保てます。過酸化水素水には発がん性のおそれが指摘されており、健康面への影響を考えると漂泊されていない数の子を選ぶほうが安心です。
また、見た目はキレイでも鮮度が落ちているため、鮮度の良いものに比べて食感は劣るでしょう。
身がふっくらとしているものを選ぶ
鮮度が良い数の子は身割れがほとんどありません。卵と卵の間がしっかりと埋まっており、身がふっくらとしています。
個体によって差はあるものの、身こぼれしていないものを選びましょう。
しかし、卵を取り出す過程で形が欠けてしまうこともあるため、身割れしている数の子が必ずしも鮮度が悪いとは限りません。
身が割れている数の子はランクが落ちて、訳あり商品として販売されます。その場合は身割れしていても味は変わらないので、自宅で手頃な価格の数の子を楽しみたい場合は身割れしている数の子でも問題ありません。
表面に薄皮が付いているものを選ぶ
近年では主流となっている塩漬けの数の子ですが、塩抜きをしている経過で鮮度が落ちてしまいます。より鮮度の高い数の子を選ぶには、塩抜きされていないものを選ぶことが1つの方法です。
薄皮の付いた数の子は塩抜きされていないものであるため、薄皮が付いている数の子がおすすめです。
ただし、数の子の薄皮は食べても問題ありませんが、口の中に薄皮が残って食感が悪くなります。見栄えも悪いため、器に盛り付ける前に指でこするようにして剥いておきましょう。
おせち料理における数の子の塩抜き方法

塩漬けの数の子はそのまま食べると塩分が濃いため、塩抜きが必要です。時間や手間はかかるものの、自分の好みに合った味に調整できるため、数の子を美味しく食べたい人に向いています。
塩抜きの材料と手順は以下の通りです。
材料(2〜3人前) | 手順 |
● 塩漬けの数の子:200g ● 塩水:小さじ1杯の塩を溶かした水1L |
1. 塩水を入れた容器を用意する 2. 数の子を4時間ほど漬けておく 3. 新しく塩水を用意して数の子を4時間漬ける 4. 数の子の端を折って味見する 5. 好みの塩加減でなければ、再度新しく塩水を用意して数の子を漬け、1時間おきに味見する 6. 好みの塩加減になったら、数の子の薄皮を剥く 7. キッチンペーパーや乾いた布の上に数の子を置いて水気を切る |
数の子の塩分が抜けすぎてしまった場合、濃い塩水に1時間ほど漬けると塩気が戻ります。塩抜き後は、味付き数の子や松前漬けなど、好みに合ったレシピで調理しましょう。
おせち料理で余った数の子のおすすめリメイクレシピ

ここでは、おせち料理で余った数の子を活用するレシピを解説します。
● 味付け数の子
● 数の子の松前漬け
● 数の子サラダ
上記3つのリメイクレシピを見ていきましょう。
味付け数の子
味付け数の子は、おせち料理の定番料理の1つで祝い肴として一の重に詰められています。実は、市販のめんつゆを使うだけで簡単に調理できます。
材料と手順を一覧表にまとめたので確認しましょう。
材料(2〜3人前) | 手順 |
● 塩抜きした数の子:200g ● (A)濃縮2倍めんつゆ:大さじ2杯 ● (A)水:150〜200cc ● かつおぶし:適量 |
1. 数の子を(A)の調味料に漬け込む 2. 1日経ったら数の子を取り出し、キッチンペーパーで水気を切る 3. 数の子を好みの大きさに切って、かつお節をまぶす |
数の子を漬け込む丁度良い容器がなければ、フリーザーバッグで代用しても構いません。身割れしていないキレイな形の数の子を選べば、重箱に盛り付けた際に見栄えが良くなります。
数の子の松前漬け
松前漬けは北海道の郷土料理ですが、おせち料理の1つとして全国的に有名です。難易度が高いイメージがあるものの、実はそこまで難しくありません。
松前漬けの材料や手順は以下の通りです。
材料(2〜3人前) | 手順 |
● 塩抜きした数の子:200g ● あたりめ・するめ:50g ● 刻み昆布:20g ● にんじん:1/3本 ● (A)酒:大さじ1杯 ● (A)みりん:大さじ2杯 ● (A)醤油:大さじ2杯 ● 唐辛子:1本 |
1. 千切りにしたにんじんは、さっと湯通しする 2. 調味料(A)を火にかけて煮切りした後、唐辛子を加えて冷ます 3. 容器に昆布とするめ、冷めた(A)、にんじんを入れる 4. 一晩寝かせた後、1口大にカットした数の子を加え完成 |
松前漬けは、そのまま食べるだけでなく炊き立ての白ご飯にもよく合います。完成後に味が濃いと感じたら、だし汁で薄めましょう。
形の崩れている数の子でも問題ないので、松前漬け用の数の子を購入する場合は贈答用などのキレイな数の子を選ぶ必要はありません。
数の子サラダ
数の子サラダは、シンプルなレシピで数の子やきゅうりの食感を楽しめるレシピです。
材料と手順を確認しましょう。
材料(2〜3人前) | 手順 |
● 塩抜きした数の子:3本 ● きゅうり:1本 ● マヨネーズ:大さじ3杯 ● 味噌:大さじ1杯 ● すりごま:小さじ1杯 |
1. 数の子ときゅうりを1cm角にカットする 2. マヨネーズと味噌をよく混ぜておく 3. 数の子・きゅうりと調味料、すりごまを和える |
好みでアボカドやホタテを加えたり、ポン酢やレモン汁を加えてアレンジしたりするのもおすすめです。年末年始は和食が続くため、こってりとしたマヨネーズ味の副菜は喜ばれます。
子どもや若い世代も、食べ慣れたマヨネーズの味なら食べやすいでしょう。
美味しい数の子が入ったおせち料理なら快適生活

この記事では、おせち料理に数の子が含まれる意味を解説しました。
数の子は子沢山のイメージから、おせち料理の祝い肴としてよく入れられる品です。アレンジレシピも多くあるため、おせち料理に入れる味付け数の子だけでなく、さまざまな料理で楽しみましょう。
また、自分で調理するのはハードルが高いと感じている人には、快適生活のおせちがおすすめです。
快適生活はさまざまな種類のおせちを取り扱っており、定番のおせちからローストビーフやテリーヌなどが入ったものまで、バリエーションを豊富に取り揃えています。急速冷凍したまま自宅まで届くので、面倒な盛り付けも不要です。
お正月に美味しいおせちを食べたい人は、ぜひ快適生活をご利用ください。
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