
おせち料理のマナーとは?
食べ方や順番・準備のルールをわかりやすく解説
この記事では、おせち料理のマナーについて解説します
おせち料理には、基本的な食べ方や食べる順番など、さまざまなマナーがあります。マナー違反によって一緒に料理を楽しんでいる人からの印象が悪くなってしまうこともあるため、しっかりと把握しておくことが重要です。
マナーを守っておせち料理を食べることで、周囲の人も自分自身も、気持ちの良い正月を迎えられるでしょう。
この記事では、おせち料理における食べ方のマナーや食べる順番、準備のルールなども解説します。ぜひ、参考にしてください。
|
【この記事でわかること】 |
おせち料理における食べ方のマナー

ここでは、おせち料理における食べ方のマナーを解説します。
● 直箸(じかばし)で食べない
● 箸を逆さまにして食べない
● 重箱の真ん中や隅から食べない
直箸(じかばし)で食べない
自分の口をつけた箸で直接料理を取る「直箸(じかばし)」は、他の人に不快感を与えてしまう可能性があるため、マナー違反とされています。
これは単に「きれい好き」という話ではなく、共に食卓を囲む人々への思いやりや敬意の表れです。おせち料理をいただく際には、必ず用意されている取り箸を使いましょう。
取り箸を使って自分の皿に料理を取り分けることで、全員が最後まで気持ちよく、晴れやかな気持ちで新年のお祝いの食事を楽しめます。
箸を逆さまにして食べない
取り箸がない場面で、とっさに自分の箸を逆さまにして料理を取ろうとする逆さ箸(さかばし)はきれいなように思えるかもしれません。
しかし、これも実は日本の食文化において避けるべき作法とされています。
理由として、手で直接触れている部分で食べ物に触れるのは不衛生であるという考え方や、それを料理に使うのは失礼にあたるという考え方があるためです。
もし取り箸がなければ、お店の方や同席者に声をかけて新しい箸を用意してもらうのが、最もスマートで丁寧な対応といえます。
重箱の真ん中や隅から食べない
美しく詰められたおせち料理は、それ自体が新年を祝う芸術品ともいえます。
料理の配置や彩りには、作り手の願いや祝いの心が込められています。そのため、重箱の真ん中や隅から料理を無造作に取ってしまうと、その美しい盛り付けが崩れてしまい、見た目も損なわれてしまいます。
おせち料理をいただく際は、まず上段の重箱から、そして自分の手前にある料理から順番に手をつけるのが基本です。
皆がこの作法を心掛けることで、お祝いの膳は最後まで美しい状態を保ち、その場の華やかな雰囲気を壊すことなく食事を進めることができます。
おせち料理における食べる順番のマナー

ここからは、おせち料理における食べる順番のマナーを解説します。
● 目上の人から順番に食べる
● お屠蘇(とそ)は年齢が若い順番で飲む
● 重箱は一の段から順番に食べる
● 日持ちしづらい料理から順番に食べる
目上の人から順番に食べる
秩序と敬意を示すため、食事を始める際はその場にいる最も目上の方、たとえば祖父母や家長が最初に箸をつけるのを待つのが礼儀とされています。
これを「箸初め(はしぞめ)」と呼び、年長者が箸を取ってから、他の人々もそれに続きます。単なる形式ではなく、年長者への尊敬と感謝の気持ちを表す日本の美しい習慣の一つです。
全員がこのマナーを心掛けることで、お祝いの席がより一層引き締まり、和やかな雰囲気の中で晴れやかに新年をスタートさせることができるでしょう。
お屠蘇(とそ)は年齢が若い順番で飲む
一年の邪気を払い、長寿を願っていただくお屠蘇ですが、その杯を交わす順番は通常のマナーとは逆になります。
お屠蘇(とそ)はまず、最も年齢の若い人から飲み始め、次に年少者、そして最後に最も年長者がいただくのが正式な作法です。これには、「若者の生命力や活力を年長者へ分け与える」という意味が込められています。
若い世代から年長者へと杯を巡らせることで、家族全員が一年を健やかに過ごせるようにという願いを共有しています。おせち料理を食べる順番とは異なり、お屠蘇ならではの特別な儀式として覚えておくと良いでしょう。
重箱は一の段から順番に食べる
おせち料理が詰められる重箱は、それ自体がお祝いのコース料理のように構成されています。
一番上の一の重には、黒豆や数の子といった祝い肴や口取りが詰められています。続く二の重には伊達巻やきんとんなどの甘いものや焼き物、三の重には煮物が入るのが一般的です。
この順番には意味が込められているため、まずは一の重から手をつけるのがマナーです。
物語を最初のページから読み進めるように、作り手が込めた祝いの心を順番にいただくことで、おせち料理をより深く味わうことができます。
日持ちしづらい料理から順番に食べる
おせち料理は本来、保存食としての役割を担っていますが、中には比較的傷みやすい品目も含まれています。
紅白なますなどの酢の物や、エビの塩焼き、生の海産物を使った料理などは、濃い味付けの煮物などに比べて日持ちがしません。
お正月の三が日をかけてゆっくりいただくからこそ、料理の状態を見極めながら食べ進める配慮が大切です。
おせち料理における食品のマナー

ここでは、おせち料理における食品のマナーについて解説します。
● 妊婦は生モノを食べない
● 四足歩行の動物が使われた料理を食べない
妊婦は生モノを食べない
おせち料理には、数の子や紅白なます、酢の物など、加熱処理をしない生モノが含まれることがあります。
妊娠中は免疫機能が通常と異なるため、食中毒の原因菌、特にリステリア菌などへの感染リスクに注意が必要です。
これらの菌は胎児に影響を及ぼす可能性も指摘されています(※)。お祝いの席であっても、母親と赤ちゃんの健康が最優先です。
安心して新年を迎えるためにも、加熱されていない魚介類や、非加熱のチーズなどが使われていないかを確認し、少しでも不安を感じる食材は避けるようにしましょう。
家族もその点を理解し、妊婦さんが安心して口にできる料理を準備する心遣いが大切になります。
四足歩行の動物が使われた料理を食べない
伝統的なおせち料理には、牛肉や豚肉といった四足歩行の動物の肉を使った料理は基本的に含まれません。
これには仏教の教えが影響しており、殺生を禁じる考えから、古くは肉食そのものが避けられていたことに由来します。
お正月は年神様をお迎えする神聖な期間であるため、このような風習が今もなお残っているのです。
現在では食文化も多様化し、ローストビーフなどを重箱に詰める家庭も増えていますが、本来のおせち料理が持つ意味合いを理解しておくことは、日本の文化に触れる上で意義深いことといえるでしょう。
おせち料理における準備のマナー

おせち料理には、準備においても以下のようなマナーがあります。
● お正月は包丁や火を使って料理しない
● 食べる1〜2時間前に冷蔵庫から出しておく
● 喪中の場合はおせち料理を食べない
お正月は包丁や火を使って料理しない
三が日の間は、「かまどの神様(荒神様)に休んでもらうため、台所で火や刃物を使うことを避ける」という風習があります。
また、この習慣には「家事で日頃忙しい女性たちがお正月くらいはゆっくり休めるように」という思いやりの意味も込められています。
そのため、おせち料理は日持ちのする食材を中心に、大晦日までに全ての調理を済ませておくのが習わしです。
食べる1〜2時間前に冷蔵庫から出しておく
おせち料理は保存性を高めるために、砂糖や醤油、酢などで濃いめに味付けされています。
冷蔵庫で冷えたままの状態ですと、味が濃く感じられたり、食材が硬くなっていたりして、本来の風味を十分に楽しめないことがあります。
そこで、食べる1〜2時間ほど前に冷蔵庫から出し、常温に少し馴染ませておくのがおすすめです。それぞれの料理の味がまろやかになり、食感もやわらかく戻ります。
喪中の場合はおせち料理を食べない
おせち料理は新年を祝うための「祝い肴」であり、おめでたい席で食べる料理です。そのため、喪中にはお祝いの食事であるおせちを食べることは控えるのが一般的です。
同様に、お屠蘇を飲んだり、玄関にしめ飾りを飾ったりといった正月祝いの行事もタブーとされています。
もし、お正月に何か特別な料理を用意する場合は、「祝い」を意味する紅白のかまぼこや昆布巻き、海老などを避け、煮物などを中心とした「ふせち料理」と呼ばれるものにすると良いでしょう。
おせち料理を美味しく食べるなら快適生活

「新しい年の始まりは、準備の負担を減らして、家族とゆっくり過ごしたい」「家庭では作れないような、プロが手がけた本格的なおせちを味わいたい」と考えている人は、通販でおせちを購入するのがおすすめです。
快適生活では、毎年こだわりのおせち料理を多数取り揃えています。有名料亭が監修した豪華絢爛なものから、ご家族の人数や予算に合わせて選べるものまで、そのラインナップは非常に豊富です。
【快適生活の主なおせち料理】
おせち料理のマナーに関するよくある質問

ここでは、おせち料理のマナーに関するよくある質問を紹介します。
● えびの殻は手で剥いて食べても大丈夫?
● 地域によっておせち料理のマナーは異なる?
● おせち料理の具材の数はどうすれば良い?
えびの殻は手で剥いて食べても大丈夫?
結論、えびの殻は手で剥いて食べても問題ありません。
焼き魚の骨を取る際と同様に、箸だけではきれいに殻を剥くのが難しい料理については、手を使ってもマナー違反とはみなされないのが一般的です。
ただし、その際は周りの人が不快に感じないような配慮が大切です。片手でえびの頭を軽く押さえ、もう一方の手で丁寧に殻を剥きましょう。
指が汚れた時のために、おしぼりや懐紙を準備しておくと、よりスマートな印象になります。剥いた後の殻は、お皿の隅にきちんとまとめて置くように心がけましょう。
地域によっておせち料理のマナーは異なる?
直箸を避ける、目上の方から箸をつけるといった基本的なマナーは全国共通です。
一方、おせち料理の具材や味付けには顕著な地域差が見られます。たとえば、関東では甘くて濃厚な「伊達巻」が好まれる一方、関西ではだしを効かせた「だし巻き卵」が一般的です。
祝い肴の魚も、関東は鮭、関西はぶりを入れることが多いなど、その土地ならではの文化が根付いています。
マナーそのものに大きな違いはありませんが、お正月にいただくお雑煮の文化が地域によって大きく異なるように、おせちの内容もさまざまです。
おせち料理の具材の数はどうすれば良い?
おせち料理の具材の数は、奇数にするのが良いとされています。
これは、古代中国の陰陽道に由来する考え方で、奇数は縁起の良い「陽数」、偶数は割り切れることから別れを連想させる「陰数」とされているためです。
そのため、重箱に詰める際は、一つの仕切りの中に3種類、5種類、7種類といったように、奇数で揃えるのが伝統的な習わしです。
絶対に守らなければならない厳格なルールではありませんが、「縁起を担ぐ」という意味で、この慣習は今も大切にされています。
おせち料理のマナーを守って良い新年を迎えよう

この記事では、おせち料理に関する様々なマナーを解説しました。
おせち料理をいただく際は、直箸を避けるといった基本的な食べ方に加え、お屠蘇をいただく順番や重箱を開ける順番など、古くから伝わる美しい作法があります。
これらのマナーの根底にあるのは、年神様や共に食卓を囲む人々への感謝と敬意です。一つひとつの意味を理解し、心を込めていただくことで、新年をより一層晴れやかな気持ちで迎えられるでしょう。
おせち料理を自宅で簡単に食べるなら、快適生活がおすすめです。多種多様なおせちを取り揃え、名店に監修された一級品の味わいが楽しめます。
>>快適生活トップページ<<
>>他のお役立ち情報はこちら<<